神がコラムを永遠の宴に召される一年ほど前のことである、[#「ことである、」は底本では「ことである。」]ある夜、兄弟たちの中の最年少者「雀斑そばかす」とあだなされたポウルが彼のもとに来た。
「月が星のなかにあります、おおコラムよ、きょう神と共にある老ムルタックは、神とあなたのお心どおり、島の東端のかわいた砂の深みに葬られます」
そこで聖者は疲れねの床から起きあがり、ムルタックの葬られたところに行って、その場所を祝福した、地に這う虫もいかなる生物も聖き死者に触るるなと命じた。彼は言った「ただ神のみが、神のみが御手ずから造りたまいしものを奪とりたまえ」
帰るみちすがらねむけが去ってしまった。海のうつくしい潮の香がコラムの鼻に入った、彼は体じゅうの血管に波が走るのを聞いた。
僧房の入口で彼は振りむいて、兄弟たちに内に入れと命じた「平和なんじらと共にあれ」彼は疲れたように言った。
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