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仕事できない彼氏

 彼氏や結婚相手に求める条件といえば、性格や価値観をあげる人も多いが、やはり仕事ができるということも大きなポイントになるはず。特に、結婚するとなると、少なくとも自分よりは収入のある人がいいとか、会社でも頼りにされる存在であってほしいと願うもの。しかし、11月に発売されたマンガ『私の彼は仕事ができない』(山田可南/徳間書店)に登場する書店員?はる奈の彼氏である順は、無職から就活して彼女の勤める書店に部下として入ってくるのだ。もし、自分の彼氏が部下になったら。しかも、その彼氏が仕事のできない男だったら、どうなってしまうのだろう?
 まず、もともと学生バイトで知り合った2人は、順のほうが先輩としていろいろ面倒を見てくれていた。そのときはすごく頼りになると思ったから付き合ったのに、社会人になって実際一緒に仕事をしてみると、そうでもなかったことに気づくのだ。順は、仕事中なのにフロア長であるはる奈に「はる奈この本さ」と気軽に馴れ馴れしく話しかけてくるし、本を持ってキョロキョロさまよう。入ってから1週間経っても彼の物覚えは良くならず、「アレ?これは…」と同じことを何度もバイトに教えられる始末。POPを書かせても字が汚すぎて使い物にならないし、ニューバランス 574休憩時間などの時間外にも仕事がはみ出してしまう。こんなに要領が悪くて頼りない彼氏の姿を見たら、さすがに幻滅してしまいそうだし、上司としてなら、なおさら。かわいいとか私がついていてあげなくちゃという生ぬるい見方は難しい。
 また、もし自分の彼氏が部下になったら、普段は見なくて済むところも目につくはず。たとえば、彼氏がほかのバイトの女の子と楽しそうに話している姿。直接仕事を教えるのは、どうしてもバイトの子や近しい同僚になるのだが、はる奈はそんな姿を見てヤキモチを焼き、イライラしてしまうのだ。さらに、そのイライラに「彼氏だからって順を贔屓したりしない」という思いが重なって、逆に彼にだけ厳しくあたってしまう結果になる。はる奈は、「女」である自分と「上司」である自分との切り替えができなくなっていたのだ。それに気づいた彼女は、「自分の駄目な部分を見せつけられる」と情けなさにトイレでひっそりと泣く。こんなふうに、相手だけでなく自分の見たくなかったところにまで気づかされてしまうことも。
 しかし、それと同時にいいところも発見することができる。クレーム対応で、お客さんと1時間も話し込んでいた順に「その間会社はあなたにお金を払っているのよ!?」と怒っていたはる奈だが、彼の「また来てくれるって言ってたし」。「お客さんに気持ち良く本を買ってもらう――のも仕事だろ?」という一言で、時間に左右されない仕事の仕方やお客さんひとりひとりを思う気持ちを思い出すのだ。それに、POPだって字は汚かったけど順の熱意は十分に伝わるものだったし、その文章をもとにほかの人が書き直したPOPの内容は、作者自身に褒めてもらえた。よく見てみると、彼も不器用なだけでただ仕事ができないわけじゃないことにも気づかされる。そんな彼の新しい一面とともに、自分が忘れていた気持ちも思い出させてくれるのだ。
 たしかに、彼氏ができの悪い部下だなんてはじめは気まずいし、頼りないと思うこともあるだろう。でも、変に偏った見方ではなく、真っ直ぐな濁りのない目で見てみると、彼と自分、どちらも見つめ直すことができるいいきっかけになるのかもしれない。ニューバランス 996
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